本まるごと一冊の教育②

私は教科書を使うことが当たり前の教育の中で育ちました。小学校、中学校と教科書はきちんと勉強し、テストではそれなりの成績をおさめていたと思いますが、日常で本をまるごと読む習慣がありませんでした。「読書」と言えば、年に一回、夏休みの宿題で感想文を書くために「課題図書」を何冊か読む程度だったと思います。

ケンブリッジの小学校で「本から学び、本を読む楽しさ」を教えてもらった我が家の子ども達は、本をたくさん読みたがりました。赤ちゃんの頃から日本語も英語もそれなりに読み聞かせはしていました。自分で本を読む習慣がついたころから市内のいろいろな図書館に連れて行っては好きな本を選ばせました。夏休みには読んだ本の冊数記録を提出するとお楽しみがもらえるような、わくわくする企画が組まれていて、子ども達は楽しく図書館通いをしました。長女、次女、そしてベビーカーに座る三女を連れて、みんなで20分歩くと図書館です。欲張ってたくさん借りると、帰り道はたいへん。ずっしりと重くなった手提げ袋を持って歩いたあの日が昨日のことのように思い出されます。一人一人読み物の傾向は違いますが、みんな本好きな子どもへと成長しています。

『見える学力、見えない学力』(岸本裕史著、国民文庫)という本の中に、こうあります。

また、読書好きな子は、頭の中にイメージをえがく能力が、ぐんぐん発達していきます。… 想像力は創造力の母です。ページをめくり、文字をたどり、その内容や状況を頭の中に思いえがくことのくり返しが、ゆたかな想像力を養う大きな要因になるのです。単なる出まかせや、思いつきでないほんとうの創造力は、ゆたかな想像力を母とし、たしかな学力を父として生み出されるのです。子どもの学力の土台は言語能力です。その言語能力を育てるもっとも効果的な方法は、子どもを読書好きにすることをおいて、他にはありません。塾へやる時間と金があれば、それは読書に注ぎこむべきです。その方が、はるかに子どもの学力を伸ばす上で顕著な効果が上がります。(p.68)

「子育ては親育て」と言いますが、子どもたちに本を与えて育てた副産物は、私も本好きになったということでしょうか。本の力と可能性は無限大です。

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