月別アーカイブ: 2014年2月

英語はやっぱり「習うより慣れよ」

近所のお母さんに頼まれて、子どものための英語教室をスタートしてから6年が経とうとしています。

最初の何年かはコースブックを使って「教える」スタイルをとっていました。あることがきっかけで「多読で英語」という考え方に触れ、2012年の終わり頃から多読とBBカードを軸にした新しいカリキュラムをスタートしました。

やり方を変えてから、教室に来ている子どもたちの様子に少しずつ変化が現れているような気がします。以前と比べて…

  • 英語を楽しんでいる
  • 英語でお話を読んだり聞いたりすることに抵抗がなくなっている
  • みんなの興味や得意なことが生かされている
  • 英語が好きでもっと続けたいと思ってくれている

これは子どもたちの様子の変化だけではなくて、私の中で起こっている変化でもあります。レッスンの準備をするのが楽しくなりました。よりよいレッスンのためにもっと本を読んだり、同士との交流の場に足を運ぶようになったり、そんな機会も増えました。周りの人たちと共有したかった思いが次から次へと溢れてくるようになりました。こうしてブログをスタートしたのも、英語や教育に関する自分の思いを伝えたいからなんです。

そして、何よりも私の中での大きな大きな変化は、英語を「教えなくなった」ことだと思います。

これまでのレッスンでは、中学生から「不定詞」がわからないと聞かれれば、一生懸命説明しようとがんばりました。でも教えれば教えるほど、生徒の頭の中は混乱し、私も文法を教えることに自信がなくなっていきました。

そんなとき、BBカードを考案した難波悦子さんの本「続・カードで遊んで英語大好き!」を読みました。冒頭には難波先生の英語教室でBBカードで遊んで育った中2の男の子のエピソードが書いてありました。学校の英語授業で、文法に関する教師からの質問に、

「Kumi come to school by bicycle. というのはなんとなくおかしい。Kumi comes to school by bicycle. の方が正しいと思います。」

と答えたそうです。なぜcomesの方が正しいのかときかれて、なんとなくとだけで、きちんと説明できなかった彼に、教師はこう言ったそうです。

「あてずっぽうで答えちゃ駄目だよ。なんとなく正しいと思うからじゃ答えになっとらんだろが。3人称、単数、現在だろ。一年の時にやってるぞ。英語教室に行ってるんだろう。こんなことも教えてくれないのか。やめちまえ、そんな英語教室。」(p.11)

難波先生はご自身の教室ではあえて文法の説明などせずに、BBカードで楽しく遊び続けることを通して、子どもたち自身が英語のシステムに気づいていくことを大切にされました。文法の説明ができなくても、その中2の男の子は普通に英検3級に受かったというストーリーなのですが、難波先生の言葉でこう続きます。

大体言葉を学ぶというのは、言葉そのものを習慣として学ぶ、つまり身に付けるということであって、文法規則などを知識として学ぶことではありません。もし彼に最初から3人称、単数、現在にはsをつけるというように文法知識を教えていたとしたらどうでしょう。間違いなく英検3級など受かりはしなかったと思います。(p.11)

最近読んだTHE READ ALOUD HANDBOOKという本の中にこんな文を見つけました。(ちなみに日本語部分は私の訳ですが、大意が伝わればと思います。)

Grammar is more caught than taught, and the way you catch it is the same way you catch the flu: You’re exposed to it.

文法は教えられるというより、受け取るものなのです。どうやって受け取る/もらうかというと、インフルエンザをもらってくるのと同じ:触れていればもらってしまうのです。(p.40)

なるほどね〜。みなさん、英語にもっともっと触れましょう。英語に触れて、文法をもらっちゃいましょう。文法の説明は苦手なんだけど、でもなんとなくわかる〜、というプロセスを楽しみましょう。

文法は大切です。でも文法を「完全に理解しよう、理解させよう」と、生徒も教師もその罠にはまってしまったら、使える英語からはどんどん遠ざかってしまう、英語嫌いがどんどん生まれてしまう。なので、今の私は文法の解説をする時間があったら、すてきな本を一冊でも多く読み聞かせしようと思います。例えばこんな本はいかがでしょう。

英語を使いたいのであれば、「習うより慣れよ」だと思います。

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“Lots of Hearts” – A Picture Reader

My mom is staying with us for about a month to escape the cold snowy weather of Northern Japan.

She is very curious and studious in various subjects, so I suggested that she take a look at some picture books in English while she is here. As many of you know, I am trying to spread the idea of learning English through extensive reading. There are books everywhere in our house, so it is not that difficult for her to pick up a book or two in any room she enters.

This morning, she told me that she flipped through this picture book as she was waking up.

She said that it was a bit difficult, but she flipped through the whole book. The pictures in the book helped her to figure out what the story is about.

The book series is called Picture Reader, published by All Aboard Reading.

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There are 24 flash cards in the back of each book. There is a picture on one side, and the English word for it on the other side. These cards match pictures that can be found throughout the book.

 

 

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When I first read the book, it was a little hard to read sentences with words and pictures mixed together. But for beginner readers, it’s kind of fun to be able to read the pictures while reading the sentences with someone who can help.

 

 

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cards, paper, tape, paint . . .

“I am making cards. I have paper, tape, and paint.”

 

 

These flash cards are not only helpful for learning new words, but you can also use them for all kinds of activities and games. What a bonus!

After finishing the whole book, even a simple book like this one, my mom could have a sense of accomplishment. I hope that this feeling makes her want to read more.

Using picture books for learning English is so much fun!

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バレンタインにいかがでしょう

今日はこの本が届きました。

“The Day It Rained Hearts” 「コーネリアのおくりもの」

 

One day it started raining hearts, and Cornelia Augusta caught one.

お話はこんな風に始まります。空からハートの雨が降ってくるなんて、なんてステキな発想だろう。ハートの雨、いいな〜。

ハートの雨をつかまえて家にもって帰ったコーネリア。そのハートを使って4人の友達に、ひとつひとつ違う形の、心のこもったカードを作ります。ひとりひとりのことを考えながら、丁寧にカードを作ります。

カードを郵便で受け取ったそれぞれの友達はとっても嬉しそう。やさしいタッチの絵から作者の思いが伝わります。

シンプルな絵なのですが、登場人物(動物)たちの表情やしぐさがたまらなく可愛いのです。

最後はありきたりのハッピーエンドとはちょっとちがうのですが、ほんとうのバレンタインの意味を考えさせてくれるような、あたたかい気持ちが心に残りました。

来週のクラスではこれを読み聞かせします。今年のバレンタインはコーネリアちゃん効果を期待しようっと。

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Disney Read-Along

昨日届いたDisney Read-Along 絵本、けっこう楽しくあっと言う間に聞き読みしてしまいました。このシリーズはディズニー映画をシンプルにしたもので、語り手はプロ、セリフ部分は映画の声優さんの声そのものなので、臨場感たっぷりです。

まずは受験真っ只中のHちゃんへの応援本、”Tangled”。「テスト終わったらディズニーのラプンツェルの映画が見たいなあ。」と言うので、「じゃあ試験が終わったらみんなで見よう!」と、うちにあるDVDを一緒に見ることを約束しました。

その日のレッスン終了後アマゾンで検索したら…ありました、「塔の上のラプンツェル」の英語絵本。”Tangled”という題名で。即、注文してしまいました。ちなみに、tangle は「髪の毛がからまる、もつれる」と言う意味。(我が家のガールズたちの髪の毛も細かったから、小さい頃はよくDetangling Sprayを使って、もつれをとかしていたっけ。)

途中、歌も一曲挿入されていて、CDもよくできています。歌詞は載っていなかったので後で探してページに差し込んでおこうかな。音はナチュラルスピードでやや速め。このスピードに耳が慣れていくといいですね。これだと好きなセリフはすぐに覚えられるような気がします。

2冊目はアメリカでこの冬大ヒット中の、”Frozen”。

なかなかいいじゃないですか〜。これも小中学生女子たちが喜びそうな内容だなあ。映画を見たくなりました。うちの子たちも “The cold never bothered me anyway”と、今流行ってる”Frozen”の主題歌(”Let it Go”)のサビをよく口ずさんでます。


このストーリーの原作はアンデルセン童話「雪の女王」です。

Disney Read-Along、今回は上の2冊に加え、Monsters, Inc. とMonsters Universityも購入しました。みんな気に入ってくれるといいなあ。

CD付きの絵本がお手頃の値段で手に入る時代です。「登場人物が可愛い」「歌が気に入った」「とにかくこの絵がすき!」とか、いろんな興味や感動でこころ動かされながら、楽しく多読を続けていってほしいと思います。

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多読記録帳

教室での多読は、読み聞かせから、私との一緒読みを経て、一人読みをやってみたいと希望する5、6年生頃から本格的にスタートしています。自分で読んだ本、読み聞かせの本、CDで聴き読みした本等々、このノートに読んだ本の記録をしてもらっています。

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Mちゃんは去年から始めた多読が本の冊数にして現在250冊ほど、語数は90,000語くらい読み進めてきました。お気に入りはORTかな?感想もしっかりと書いていますね。一冊800語程の本でも、CDを使っての聴き読みで楽しく読み進めています。

今日読んだ長めの本はこの3冊。

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そして、さらっと読めるこのシリーズも何冊か。一冊の語数は40語程、ページ数にして8ページくらいの薄っぺらい本です。その日の気分でいろいろな本を読んで、記録していきます。

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現在6年生のMちゃん、中学生になっても多読を続けていくことを決めています。5年〜6年の一年ちょっとで、90,000語近くの英語を読んだり聞いたりしました。ちなみに、中学校の英語教科書で触れる総単語数は7,000語程、さらに高校教科書で触れるのは35,000語程だそうです。単純に比較はできないかもしれませんが、Mちゃんはこの一年間で中高6年間分の教科書のなんと倍以上の英語に触れたことになります。中学、さらには高校と多読を続けていったら、どんなふうに英語を使いこなすようになっているのかなあ。いまから楽しみです。

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モンテカルロ 〜遊んで英語、BBカード〜

モンテカルロ」って遊び、知ってますか?トランプでは一人で遊ぶゲームですが、教室ではBBカードを使って数人で遊びます。トランプは数字が縦、横、斜めに合ったものをセットとして獲得していきますが、BBカードを使ったモンテカルロでは絵カード、字カード、フレーズカード、いろいろあるカードの英語を口ずさみながらセットになったペアを獲得して遊びます。

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子どもたちに新しい遊びを導入すると、瞬間で字カードと絵カードを認識し、覚えたフレーズカードを日英でどんどんマッチさせたり、そのスピードの速いこと、速いこと。私はそのスピードに全くついていけないのです。

 

 

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遊び好きな子どもの能力ってすばらしいと思います。BBカードを使ったレッスンは常に右脳と左脳が刺激され、「遊びながら」なので脳もリラックスした状態で英語を取りこめるのだと思います。

 

 

Q:「教室では遊ぶ」って、遊びがレッスンなんですか?

A:はい、そうです。BBカードを使ったレッスンでは、基本は遊びながら英語を使います。

教室に来ている子どもたちにとっては、「S先生の教室ではBBカードでいろんなゲームをして遊ぶ。」というのが率直な感想だと思いますが、保護者の方にはきちんと説明しなくてはいけませんね。遊びながら夢中になっているうちに、64の洗練されたセンテンスが頭に残り、その先行知識をもとに、言い換えをしたり、応用したりしながら英語が使えるようになっていきます。

Q:うちの子、英語は習ったことがないのですが、何年も教室にきているお子さんと一緒のクラスで大丈夫ですか?

A:大丈夫です。例えば、トランプで「ババ抜き」や「大富豪」をしたことのない子どもが、すでにその遊びを何度も楽しんだことのある子どもたちの輪に混ぜてもらったとします。遊びなので、すぐにルールを覚え、参加し、楽しめますよね。教室ではそのような形でレッスンが進みます。BBカードでたくさん遊びこんだ子どもたちが、初めて参加するお子さんたちを助けてくれます。最初は見よう見まねで周りのお子さんのめくるカードをめくったり、一緒に英語のセンテンスの言えるところだけ言っているうちに、自分でもゲームを楽しめるようになり、英語に慣れていきます。

BBカードで進めるレッスンのいいところは、先に始めたお子さんも、後から参加したお子さんも、みんな一緒に「英語のお勉強をしている感覚があまりない雰囲気の中でことばを習得することができる。」というところだと思います。グループでゲームを楽しめるお子さんであれば、すぐにクラスにとけ込めます。

遊び好きな子どもたち、みんなおいで〜。

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