カテゴリー別アーカイブ: 英語教育

多読とBBカード 〜コンセプト〜

自分がよいと思って使い始めたもの。これはお薦めなのでみんなに紹介したいと思うもの。

こんなやり方でいいのかな。こんな使い方でいいのかな。こんな時はどうしたらいいのかな。

 

英語教室で子どもたちと一緒に色々な素材と戯れながら、私は試行錯誤を繰り返しています。

 

先日図書館でこんな本を見つけました。なかをペラペラとめくったら、おもしろそうだったので借りてきました。


『ことばの発達の謎を解く』

多くの人にとってことばは空気のような存在ではないでしょうか。空気のように大切。でも、空気のように当たり前。ことばが自分にとってどのような存在なのかを考えることはあまりないのではないかと思います。ましてや、自分がどのようにして母語である日本語を話せるようになったのかを考える機会はほとんどないのではないでしょうか。

他方、みなさんのほとんどは、英語をはじめとした外国語を過去に学んだことがあるか、あるいは現在、学んでいるかしていると思います。外国語をどのように学んだら母語のように自由に使いこなすことができるのか考える人は多いでしょう。(p.3)

冒頭の文はこんな感じ。ご専門は認知科学、言語心理学、発達心理学という著者の方。専門的な内容も読み手にわかりやすいように具体例を挙げ、ことばの仕組みについて詳しく解説してくださっています。「ことばの発達の謎」について興味のある方はぜひ読んでみてください。

ことばの意味は単語単体で存在するのではなく、関係する意味を持った単語群の相対的な関係で決まるということーつまりあるシステムの中に一つ一つの単語があるということ。そのシステムは言語ごとに違うので、当然、一つ一つの単語の意味も、一部重なることはあっても、面として全部重なることはほとんどないこと。これらを理解して、意識的に外国語と母語の単語に共通する部分と異なる部分に意識を向けること。これだけでも、「ことばを知っていても使えない」学習の仕方から「知っていることばを使いこなせる」学習の仕方へと、外国語の学習の仕方はずいぶん変わるはずです。(p.185-186)

私が多読とBBカードをクラスに導入したいと思ったのは、こんな理由からだったからかもしれません。自分の発見したことばのシステムに基づいて、思い切って使ってみる、試してみる。そして、うまくいかなかったら修正するという「発見・創造・修正」のサイクルを繰り返していく。「全体から個へ」というBBカードのコンセプトや、多読で「英語システムの存在の発見」をしながら「ことばを使う」ことへと導いてあげる。母語の獲得の過程に似ている、こういうやり方を探していたんだと思います。

システムを学習するには、一つ一つの要素がもっと大きなまとまりの中の一部なのであるという理解が先になくてはいけないのかもしれません。(p.159)

教科書のぶつ切りセンテンスやパラグラフ、問題集の穴埋め/単語集の丸暗記…。ことばのシステムを発見し使えるようになるためには、従来のやり方では圧倒的に足りない英語の量。間違う事を恐れ思い切って言葉を使おうと思えない教室の雰囲気。いろんな課題にぶつかりながら、自分にあったやり方を探している中で、多読とBBカードに出会えたことは決して偶然ではないんだなあ。

「ことばを知っていても使えない」学習の仕方から「知っていることばを使いこなせる」学習の仕方へと、外国語の学習の仕方はずいぶんと変わるはずです。(p.186)

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多読とBBカード 〜出会い〜

2012年の終わり頃から、自宅英語教室に「多読・絵本の読み聞かせ」と「BBカード」を取り入れ始めました。

近所の子どもたちに英語を教えるようになってから5年、いつも頭の中で「何かよい教材ないかな〜。」とそんなことばかり考えていました。コースブックを使って教えていくことに疑問を抱き、楽しく教えていける限界を感じ、自分のやり方には合っていないような気がしていました。自分で納得してじっくりと時間をかけて使っていけるものを探していました。

そんな頃、主人の同僚の大学教師P先生から、ご自身の立ち上げられた英語学習サイト”BeeOasis”のチラシを日本語に訳してくれないかと依頼がありました。

「Extensive ReadingとかBig Readingって、いったい何のこと?」と、興味があるような、ないような、少し懐疑的な思いもありましたが、チラシ翻訳のお手伝いを引き受けました。

Big Reading やExtensive Readingという言葉を調べるとたくさんの「多読」関連のサイトに目が止まりました。

「へえ〜、100万語多読、多言語多読、ふむふむ、おもしろそう。大人だけじゃなくて子どもたちにも多読で英語、うちの教室でもできるかな?」

それからと言うもの「多読」を紹介する書籍やネット情報をむさぼるように読み、次第に「教室で試してみたい!」という気持ちになっていきました。幸い、我が家には、子どもたちが小さい頃から読んできた英語絵本、児童書、小説、読み物が結構あり、「あれもこれも使えるぞ〜。」とばかりに、多読に対する思いがどんどん膨らんでいきました。

「やさしい読みものをたくさん」ということが大切だということで、皆さんお薦めのORTキッパーシリーズを購入しました。(これは使えば使うほどよさがわかる宝のような読み物です。)

多読+児童英語教室で検索していたら「BBカード」という教材の名前を頻繁に目にするようになりました。「児童英語教室で多読を取り入れている先生がたはBBカードも使っている人が多い。なんでだろう?」と興味津々で、BBカードと活動集も購入し、さっそく子どもたちと遊んでみることにしました。

あれから1年。

自分の考え方、やり方に合う教材を探し求めていた私には素敵な出会いがあり、ことばに関する問いについても少しずつ答えが与えられています。

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オレ、読めるかも!

小学4年生のB君と一緒の絵本タイム。英語60分クラス前半の20分くらいは、絵本と戯れる時間を作っています。「戯れる?」って妙な言葉かもしれませんが、この20分は絵をじっくりながめたり、読み聞かせをする私の声を聞きながらストーリーを追ってみたり、絵から思い浮かぶストーリーを日本語で作ってみたり、いろいろ試しています。こういう時間が一人読みへとどう繋がっていくのか、興味深く観察してきました。

この絵本タイムをレッスンに取り入れるようになり1年。昨日はORTから2冊読み聞かせした後、新しく購入したFirst Little ReadersBrand New Readersを見せたら興味を示してくれたので、それぞれ2冊ずつ、短いセンテンスを私の後について言ってもらいました。

PICNIC by James Croft (Brand New Readers)

Mouse finds cookies.

Mouse finds apples.

Mouse finds bread.

Mouse finds strawberries.

Mouse finds Dog.

Dog finds a bone.

Mouse and Dog have a picnic.

ひと通り読み終わった後、絵も気に入ったようで、「オレ、これなら読めるかも!」と一人読みに挑戦。M..Mouse finds cookie…s.. Mouse finds apple…と絵を見ながらスタートし、途中、私が最初の音だけちょっぴりヒントをあげただけで、なんと最後まで一人で読めちゃいました!発音もイントネーションもなかないいじゃないですか。BBカードの効果もこんなところにあらわれるんだなあ。

「B君、すごいじゃん!」

「え、だって、オレ暗記したもん。」

「暗記だって、字と絵を見ながら音を思い出したんでしょ、読めたんだよ!」

「もう一冊よんでみる!」

読めて嬉しい、もっと読みたい、という気持ちが一気にわいてきたようでした。こうして昨日は2冊一人読みができました。4年生のこの時期に一人で読むことへ気持ちが動いてくれたことに、私もびっくりしました。子どもたちが出してくれるサインや興味を示してくれるタイミングを大切にしながら、これからも絵本タイムを楽しんでいこうと思います。

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Elijah Wood Reads Me and My Cat

海外で活躍している日本人絵本作家

昨日の中学生クラスはHちゃんだけだったので、彼女が興味をもちそうな材料を使いながら、いろいろ試してみました。

購入したばかりのBrand New Readersを読んでもらっている間に、今日は私の読み聞かせではなく何かおもしろそうな素材はないかな〜と、このサイトを訪ねて見ました。

そしてElijah Woodの読み聞かせによるこの本を開いてみました。ふんふん、なかなかおもしろいではないですか。イライジャ・ウッドの声と絵のページはめくれるのですが、文字のページがないので、この英語のスピードでどのくらいわかるかな〜とHちゃんの様子をみていましたが、「おもしろい、男の子と猫が入れ替わってる〜。」と楽しんでくれていました。

Elijah Wood Reads Me and My Cat

そして、なんとこの絵本のイラストレーターは日本人、Satoshi Kitamura。どこかで聞いた名前だったのですが、「この人のことちょっとウィキペディアで読んでみようか〜。」と言う話になり、「海外で活躍している日本人をしらべてみよー。」、みたいな気分になってプロフィールを読んでみました。

Satoshi Kitamura was born in 1956 in Tokyo. After dropping out of school to pursue art, Kitamura decided not to attempt a 10-year apprenticeship as a potter and instead worked as a graphic artist. He was not trained as an artist, but at the age of 19 began to do commercial work as an illustrator for adverts and magazines. He moved from Tokyo to London in 1979 where he worked mainly at designing greeting cards. More than twenty publishers declined his work until Klaus Flugge of Andersen Press asked him to illustrate Angry Arthur in 1981 after he had an exhibition of his work at the Neal Street Gallery in Covent Garden. Since then he has published more than 20 of his own books, as well as illustrating many more. (Wikipedia)

「すごいねー、好きなこと続けていたらロンドンに行っちゃって、絵本作家として花を咲かせたんだね。Dropping out ってね、中退って意味なんだけど…。」「え〜、高校中退かな、大学中退かな〜。」など、プロフィールを読みながら二人で他愛のないやり取り。絵本の読み聞かせサイトで絵本のリスニング→ウィキペディアで絵本作家のプロフィールを英語で読む、という面白い展開の英語クラスとなりました。

Satoshi Kitamuraさんの絵本を何冊か購入しようと思いました。


Angry Arthur [ペーパーバック]

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