フェルプス選手がどん底だったとき出会った一冊の本

今年の夏はリオ・オリンピックが熱いですね!

スポーツ好きな私は、バレーボール、水泳、テニス、体操、卓球、サッカー等々、お気に入りの種目をリアルタイムで、朝に夜にテレビ観戦、少々寝不足気味の日々を過ごしております。

今日(8月10日)のハイライトは何と言ってもこれ!

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競泳男子200メートルバタフライ決勝

 

 

 

 

このレースで坂井聖人選手が見事!銀メダルを獲得し、その後の男子800メートルリレー3位入賞もあり、朝からず〜っと、ネットもテレビも関連ニュースで持ち切りです。

日本勢の活躍は本当に嬉しいですね。

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手前から二人目が坂井選手。

 

がんばれ〜!

 

 

 

 

テレビの前に陣取って、声をあげて応援したのですが、実は私、あるもう一人の選手に注目してこのレースを見ていました。

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真ん中のレーンの…

Red, White, and Blueの国旗の…

あの国の代表選手。

 

 

 

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水の怪物とよばれる…

あの人。

 

 

 

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米国代表マイケル・フェルプス(31)☆

なんと、今回で5度目のオリンピックだそうです。

やっぱり、怪物だ〜。

 

 

 

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坂井選手は1位のフェルプス選手に0.04秒差まで迫る泳ぎで堂々の2位!

4年後の東京オリンピックが楽しみですね☆

 

 

 

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みんな、ほんとうにいい笑顔♡

 

 

 

 

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フェルプス選手、レース後には、お母さんと、奥さんと、5月に生まれたばかりの赤ちゃんのところに駆けつけて、みんなで抱き合って喜んでいます。

そんな姿を見ていたら私までうるっときちゃいました。

 

 

 

 

オリンピック会場の感動的な一場面。

 

この場面を見ただけでも、ここに至るまでの道のりの険しさ、努力、試練、いろいろな物語があったのだろうと想像できる。

一人一人の選手にそれぞれのストーリーがある。

家族があり、仲間があり、支えていてくれる人たちがいる。

 

つい先日、マイケル・フェルプス選手に関するこんなドキュメンタリーを見ました。

(字幕設定をして英語を読みながらみると、少しわかりやすくなると思います。)

 

 

“I was a train wreck. I was just like a time bomb, waiting to go off. I had no self-esteem, no self-worth. There were times I didn’t want to be here. It was just not good. I was just so lost, where do I go from here, what I do now…” 

「列車事故みたいだったんだ。今にでも爆発しそうな時限爆弾っていうのかな。自尊心や自己価値なんていうものは無くなっていた。ここにいることが嫌な時もあった。とんでもない状態だったんだ。自分を失い、ここからどこへ行けばいいのか、何をしたらいいのか、わからなかったんだ…」

 

ドキュメンタリーの冒頭はマイケル・フェルプスの静かな語りから始まります。

驚きました…

私の記憶にあったオリンピックチャンピオンのマイケル・フェルプスは、これまで4回の大会で金メダルだけでも18個獲得した水の怪物、とてつもない偉業を成した選手。競泳界のスーパースター、世界のトップ選手たちの目標、憧れ。その彼が、ロンドンオリンピックの2年後には自殺まで考えたほど追いつめられて、人生のどん底を経験していたとは…

2014年秋にDUI(Driving Under Influence, 飲酒運転容疑等)で逮捕されたあと、6ヶ月の競技出場処分を受けた彼は、友人たちのすすめでテキサス州の更正施設に行くことになりました。そこで、ある一冊の本と出会ったのです。NFLフットボールプレーヤーでもあり、友人のレイ・ルイスから贈られた本でした。

Purpose Driven Life

It’s not about you. The purpose of your life is far greater than your own personal fulfilment, your peace of mind, or even your happiness. It’s far greater than your family, your career, or even your wildest dreams and ambitions. If you want to know why you were placed on this planet, you must begin with God. You were born by his purpose and for his purpose.

人生はあなたが中心ではありません。人生の目的は個人的な達成感、心の安らぎ、幸福といったものよりも遥かに偉大なものです。また、あなたの家庭や職業、夢や野心などよりもずっと偉大なものです。自分がなぜこの地上に存在しているのかを知りたければ、まず神からはじめなくてはなりません。あなたは神の目的によって、しかもその目的のために生まれたのです。

本の最初はこんな文章から始まります。

 

この本、アメリカでは発売後1年で1000万部を越え、その後も記録的な売れ行きを続けているベストセラーです。永遠のベストセラーと言われる聖書を土台とした本です。聖書を読むのはちょっと…、と戸惑う方にも、入門書として読んでみるのもいいかもしれませんね。全体が40の章に分かれていて、1日1章ずつ読んでいくようになっています。

我家の本棚にもあり、私も子どもたちも読んだことがあります。私が通う教会の青年たちは、この本を40日ではなく、40週かけて、ゆっくり、グループで読んでいました。

私がこの本のことを初めて知ったのは、2005年に起きたある事件がきっかけでした。当時私たち家族はアメリカに住んでいたのですが、主人の実家からそう遠くないジョージア州アトランタで起きた事件にびっくりしました。殺人容疑でこれから裁判という男が裁判所から逃げ出し、逃亡中に民家に立てこもったのですが、人質となった女性の必死の説得により、なんと自首に至ったというすごいニュースだったんです。危険にさらされていた中で、女性は自分の身の上話を始めました。薬物依存の治療中だった彼女は、回復の過程でこの本と出会い、日課として日々読み進めていたのですが、犯人を説得中にその日の箇所を読ませてほしいと頼んだそうなのです。朗読された本の内容と彼女の説得で、犯人は心を入れ替えたのです。

 

フェルプス選手のドキュメンタリーに戻ります。

読み始めて二日目、本の送り主、友人のレイ・ルイスにこんな電話をしたそうです。

“Man this book is crazy! The thing that’s going on…oh my gosh…my brain, I can’t thank you freaking enough, man. You saved my life…”

「この本やばいぜ!ああ、頭の中でいろんなことが起こってる、感謝してもしきれない、救われたよ、ありがとう。」

 

この本がフェルプス選手の人生に何をもたらしたのか、ドキュメンタリーの彼のお父さんとの和解の場面を見てわかったような気がしました。

金メダルの表彰台でみせたあの和やかな笑顔を見て、生まれたばかりの息子にやさしいキスをするお父さんになった姿を見て、彼の中に変えられた何かがあると思いました。

 

殺人容疑で逃走中の犯人。

薬物依存から解放された女性。

人生のどん底を経験したスポーツ選手。

生き方を模索する若者たち。

小さな町で英語教室を開いている普通のおばさん。

 

アメリカで、日本で、たくさんの場所で、いろいろな人が手に取って読んでいる本。

 

この本の最初のセンテンスを読んだ時、ハッとさせられたのを思い出します。

 

It’s not about you.

人生の中心はあなたではないのです。

 

英語で読んでみようと思う皆さん、平易な言葉で書かれてあるので、ぜひトライしてみて下さい。

英語はちょっと〜、とためらわれる皆さん、日本語訳はいかがですか。

人生を導く5つの目的

 

人生最後のオリンピックで、いったいどんなことを考えてレースに臨んでいるのかなあ〜。

この大会で金メダルいくつとれるのかな。

金メダルよりも大切なものを見つけて、そのために泳いでいるのかな。

フェルプス選手がんばれ!

日本人選手頑張れ!!

オリンピックがますます楽しい、そんな夏になりました。

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